友愛落語会

新聞で「友愛落語会」の開催を知り電話で聴講を申し込んだ。会場は足利市の商工会議所の1階のホールである。もともと銀行であった建物を、商工会議所が改装して使用しているもので、ホール、ギャラリー、市の観光案内などに利用されている。今回の寄席は、明治大学の出身者でアマチュア落語家が市の職員におり、その関係で現役の「落研」所属の学生2名と、明治出身のプロの噺家立川談幸師匠と弟子の吉幸さんの出演によるものである。
今回は、下座さんが同行しナマの下座による寄席であり、よりいっそう「寄席」の雰囲気を味あわせてくれた。
わざわざ足利まで出向いたのは、談幸師匠を存じ上げており、「宇都宮落語会」にもご出演いただいているので、御礼を兼ねての聴講である。
まずアマチュアの「駿河炎誌」さんが『時そば』、「紫紺亭小迷治」さんが『猫の皿』を聴かせてくれた。二人は4年と2年という2年間の差があるが、アマチュアでもその差がわかるような話方であった。
そして、『立川吉幸』さんの登場。『尻餅』という、寄席などでは年末によく出る噺を聴かせてくれたが、さすがプロという話し方に、場内は爆笑に次ぐ爆笑であった。中入り(休憩〉の後、お目当ての『談幸』師匠の登場となった。演題は、『初天神』。子どもと父親の噺で、これはちょうど今ごろ寄席でかけられる噺である。
落語の前に、ちょっとした寄席についての解説があり、寄席囃子の実演もあり、初心者でも楽しめる構成になっていた。2時間ちょっと、無料で楽しめた落語会であった。足利商工会議所さんありがとうございました。

見目陽一木口木版画展

新春恒例の「見目陽一木口木版画展」が始まりました。
今回のテーマは「アフリカの情熱」。一昨年から昨年の年頭にかけてアフリカを旅された見目先生の印象的な版画作品が勢ぞろいした個展である。初日から見目ファンが大勢訪れて見目ワールドを楽しんでいる。
今日と11日,12日の3日間は先生が在廊されるので,観覧者の数も多く賑わっている。
木口木版をご存知ない方も多く、作品が小さいと言われることが多いのだが、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、立ち木を横に輪切りにして出てきた面に彫るもので、そんなに大木はなかなか見つかりません。大作は寄せ木で版木を作り彫っていると思います。したがって,作品も小さな物が多いのですが、版の中に凝縮された世界があり、よくご覧いただくとおわかりいただけると思います。日本板画院理事長でいらっしゃる見目先生の作品も、その中にほのぼのとした温かい世界が展開されています。是非ご覧いただきたいと思います。

正月映画

昨年12月初旬から、正月映画第1弾が公開されましたが、これは見たい!というような作品があまりありませんでした。「椿三十郎」「アイ・アム・レジェンド」「ミッドナイト イーグル」といったところを見ましたが、いずれもハズレ状態でした。
今日、NHKFM放送で「ピックアップムービー」というコーナーを毎月担当しているので、正月映画第2弾を紹介しました。こちらのほうが面白そうなのに、なぜ第1弾に公開されなかったかと思うようです。紹介した作品は、「ミルコのひかり」「アース」「スウィーニ−・トッド」「シルク」「母べえ」「テラピシアニかける橋」「陰日向に咲く」「4分間のピアニスト」そして、当地の映画館が休館(実質的には閉館状態)するに際し、今まで続けてきた単館系の作品上映「シネマセラピーシリーズ」として上映する「街のあかり」「ONCEダブリンの街角で」「PEACE BED」「もがりの森」(もがりは漢字ですがとりあえず出てこないので)の4本、計12本を25分程度の時間で駆け足に紹介しました。正月映画といえるものではない作品もありますが、少し遅れてでも見られるのが嬉しい作品ばかりです。
話は戻りますが、「椿三十郎」は脚本が以前と同じ物を使っているので物語り自体は面白いのは当たり前ですが、ついつい黒澤作品と比較してみてしまうので、全然問題にならないのですね。俳優自体の時代劇的な所作がなっていないし、殺陣も全然面白くないですね。ラストシーンに至っては問題外です。
アイ・アム・レジェンド」も一応見たのですが、見ないでもよかったと思った作品です。予告編で面白いところは見せてくれました。ウィル・スミスが出ていなければ、制作費の無駄遣いです。但し、淀川先生に教えていただいた「どんな作品にも良いところはあるので、それを探して見ることも必要」との教えからいうと、冒頭の荒廃したニューヨークの街中を鹿でしょうか、が走るシーンはCG応用かもしれませんがよく出来ていたと思います。これで時間が長かったら完全なブーイングですね。「ミッドナイトイーグル」も雪山のシーンは素晴らしいと思いましたが、緊迫感が無いのと、自衛隊と思われる白い衣装に身を包んだ一行があまりにも弱すぎるし、何だかわかりませんでした。
第2弾の「スウィーニ−・トッド」に期待しています。ミュージカル作品ですが、ティム・バートンとジョニ−・デップのコンビは、「シザー・ハンズ」以来好きです。「ミルコのひかり」はイタリア,「街のあかり」はフィンランド。「ONCEダブリンの街角で」はアイルランドヨーロッパ映画が見られるのは嬉しいことです。

初芝居

1年の最初に観る芝居を「初芝居」という。今日国立劇場で歌舞伎を観てきた。今日は初日、本当の初芝居だ。
演目は、通し狂言『小町村芝居正月』という復活狂言である。219年前に演じられてから誰も取り上げていないというものだ。したがって誰も実際に観たことが無い。色々な文献や番付などを元に関係者が作り上げたものだ。歌舞伎座のように「見取り狂言」(有名な芝居の一部分を抜き出して上演する。たとえば忠臣蔵七段目一力茶屋の場というように)方式だと初めての人にはわかりにくい部分も出てくるが、通し狂言というのは、筋が通っているので、良く見ていれば初心者でもストーリーがわかる。現在は出ていないが、市川猿之助が復活狂言を掘り起こし、面白く見せてくれたのは嬉しかった。
さて、「小町村芝居正月」だか゛小町村とあるように、小野小町深草少将、そして大伴黒主が出てきて、時の帝の御位争いが絡んでくるというもの、お約束で、前半は時代物、後半は世話と決まっている。今回は、大詰めに『暫』の趣向を取り込んで見せてくれた。
菊五郎劇団の公演なので、菊五郎菊之助時蔵松緑、彦三郎、そして人間国宝田之助というようなメンバーでの公演だ。舞台装置も豪華で華やかで、正月気分の横溢した歌舞伎味溢れる公演であった。
初めて歌舞伎を見る人を含め20人で行ったが、安い料金で花道も見え、とても楽しかったという声が多かった。今後も歌舞伎ファンを増やすべく、自分も楽しみながら色々と観ていきたいと思っている。

明けましておめでとうございます。
昨年は体調も悪く、パソコンも具合が悪いという二重のアクシデントでブログも書けませんでしたが、本年は頑張って書いていきたいと思います。
昨年は、舞台も見たし映画も見たし落語も聴いたし、結構楽しんでいたのですが、感想が書けませんでした。
今日は、初詣に行き、帰ってきてからはのんびりとすごし、年賀状の返事を書いていました。
夜、栃木放送で「新春ラジオ寄席」の放送があり、解説を担当したので、編集でどうなっているか聞きました。
明日はデパートの初売りで、皆さん福袋目指してまっしぐらというところでしょうが、私は「古書の市」の会場を目指します。映画、演劇、演芸、美術の書籍の出物を探しに生きます。
3日は、国立劇場で歌舞伎の初日を観劇します。4日は仕事始めで、NHKのナマ放送で正月映画第2弾の紹介を20分ほどしゃべります。5日からはギャラリーの企画展「見目陽一木口木版画展」がスタートします。
本年は、開廊10年なので企画展に力を入れるつもりです。3月にはTAISHIHOさんの個展も決定しています。是非お出かけください。本年も忙しくなると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

「平山郁夫展」と「CWAJ版画展」を見る

昨日上京し、竹橋の国立近代美術館で開催中の「平山郁夫展」を見た。「祈りの旅路」とサブタイトルがある。
内容は、4章構成で、「仏陀への憧憬」「玄奘三蔵の道と仏教東漸」「シルクロード」「平和への祈り」と題されていた。六曲一双の屏風の大きさの作品が多く、退いて見ないと全貌が掴めないぐらいであった。最終日が近いので混雑を予想したが、平日だったのでゆっくりと見ることが出来た。
平山作品には、自身が広島出身で、被爆者であるということから、平和への想いが作品に込められている。
仏像やシルクロードの風景をテーマにしてはいるが、信仰心からというよりは、「釈迦」の人間としてのドラマであり、苦悩の末、悟りを開いたこと、入滅の折の弟子達の嘆きなどが絵に込められていると感じた。
東山魁夷と並んで私の好きな作家であり、全国各地を廻ってもなかなか見ることの出来ない作品を、じっくりと素晴らしい作品の数々を堪能できたことは私にとって眼福であった。
知人作家のゲストとして、CWAJの版画展を見ることが出来た。「CWAJ版画展」は、優れた日本の現代版画を展示即売し、大学院で学ぶ女子学生及び視覚に障害を持つ男女大学生に奨学金を支給する目的で、1956年に初めて開催されました。
本年は、195名、223点の作品が出品されておりました。審査を通過した作品は素晴らしく、本年は技法別に並べられておりました。明日から始まる生田宏司さん、次回展の大川みゆきさん、八星会の金子邦生さん、宇都宮在住の坂本好一さんの作品も展示されており、版画専門画廊として10年間やってきた私にとっては、貴重な機会でした。Oさんありがとうございました。
余談ですが、私は非常に行いが悪いと見えて、往復ともに列車の事故で電車が止まってしまうというアクシデントに見舞われてしまいました。今後はまじめにやります!!ので神様よろしくお願いいたします。

生田宏司銅版画展

今日は、20日土曜日から始まる「生田宏司銅版画展」の準備に一日を費やしました。
体調を壊し、閉廊状態だったので、暫くぶりでの個展開催で力を入れています。生田先生は、「フクロウ」、「猫」の作品が素晴らしく、私も猫好きとして大変気に入っています。今回は、「花」の作品も多く出品され、全部で41点の作品を展示しています.
「フクロウ」は、「福」を招くということで人気がありますし、あわせて、ペットブームの(猫好き)の方にも是非ご覧いただきたい展示です。
価格も購入しやすい1万円台から最高でも10万円と、普通の絵画から比べるとお手ごろ価格の作品が多くあります。
生田先生は,20日午後と21日には在廊されますので、作品についてのお話をお聞きすることが出来ます。
私の画廊では、初めての個展開催となりますが、今後とも続けて開催したい作家のお一人になりました.
会期は,20日土曜日から28日の日曜日まで、連日午前11時から午後6時まで、最終日は5時閉廊です。
わたしのギャラリーも、版画専門ギャラリーとして、来年でまる10年が経ちました。これも版画を愛する方々に支えられてここまで来ることが出来たと感謝しています。
来年は、記念の年として、例年より数多く個展を開催したいと考えています。ご期待ください。