「落語」柳家喬太郎独演会

私が仲間たちと主催する「宇都宮落語会」の第6期第1回例会、「柳家喬太郎独演会」が開催された。
今、落語会で若手ナンバーワンの喬太郎師匠にご出演いただき、前座として二つ目の弟弟子喬之進さんが出演された。
開口一番、喬之進さんが『天狗裁き』の一席を熱演し、会員を落語の世界に引き込んでくれた。そして、喬太郎師匠の出番、「まかしょ」の出囃子で高座へ上がる。マクラから入っていったのは新作落語である。なかなか聞いたことのない世界で、古典が好きな会員にどうかと思ったが、そこは実力。一気に喬太郎ワールドへと誘ってくれた。演題は『稲葉さんの大冒険』。さすが喬太郎師匠と納得した。中入り(休憩)のときに抽選会を実施するのだが、噺家の色紙は落語ファンにとってほしいグッズではある。喬太郎師匠の色紙は、ご自分が話しているいる姿を演目ごとに描き分けるというもので「時そば」「寝床」「初天神」などのネタが見事に絵になっている色紙である。
中入り後は、古典落語かと世話人一同も期待していたところ、「宮戸川」に入っていった。エッという感じであったが心配する必要はなかった。われわれが聞く「宮戸川」は「お花半七恋のなれそめ」であり、半ばまでのところを聞いていたのである。
さすが、喬太郎師匠、時間を配分して、その後の夢のところまでを完演された。タップリと楽しめる独演会であった。これからの落語界を背負って立つ噺家の一人であることは間違いない。よく考えてみると三演目とも『夢』が関係している噺であった。寄席では噺がつくといって同系統の噺は演じられないが、今日の趣向は面白いものであった。