市馬VS談春

 やっと手に入れたチケットで、国立演芸場にたどり着き、「市馬VS談春の会」を楽しんできました.
 前座の市朗が「垂乳根」を短く聴かせた後、お待ちかねの市馬師の登場です.演題は、「青菜」夏らしい噺で、場内を一瞬、涼しい風が吹きぬけたような気がしました.後半のおかみさんとのやり取りも面白く、うまくまとめた一席でした。続いて談春師の登場です.噺のほうは「へっつい幽霊」でお馴染みのところですが、仲間内の楽屋話を上手く入れ込んで、噺をとんとんとたたみ込むように聴かせました.ただ者ではないというキャッチコピーに嘘はありませんでした.中入りの後、談春の登場で「慶安太平記」の一席.聴いていると師匠の談志の口調に似ているところがあるのは仕方のないところでしょうが、これもとんとんと面白く聴かせました.
トリは市馬師、何の噺かと聴いているうちに、一文無しが宿屋に泊まるということになり、これは「抜け雀」かと聴いていましたが、泊まる宿場が違うので聴いているうちに「竹の水仙」ということがわかりました.面白かったのは、市馬師の美声が聴けたことと、「その道中の賑やかなこと・・・」と上方落語のように下座が入ったことが落語ファンにはたまらなく楽しめました.二人会は、出演者同士が張り合って、タップリと楽しませてくれるところも魅力の一つです.チケットが早々と完売になる理由がわかります.最近は、落語ブームとやらでチケットが取り難いのが難点です.東京に住んでいたら、毎晩のように落語会へと足を運んでいるでしょう.今日も浅草演芸ホールの中席、恒例の「住吉踊り」を見に行きたかったのですが、時間が中途半端で無理でした.歌舞伎座の夏興行は時間はちょうど良かったのですが、勘三郎の出演と、渡辺えり子の台本、演出「舌きり雀」が人気があり、三階席はもちろんのこと、幕見席も売れきれの状態で残念でした.
 今日も体が痛いのを忘れて、タップリと楽しんできました.