初夏の風・川上澄生

 今日の夜10時からテレビ東京の「美の巨人たち」という番組で〈版画家で詩人の川上澄生)が採りあげられた.ご存知の方も多いと思うが、世界的に有名な、もちろん日本人で版画家の名前を知らない人でも聞いたことのある版画家〈板画家〉棟方志功を洋画家から版画家へと変えた作品を制作したのが川上澄生であり、その作品が「はつなつの風〈初夏の風)」である.
 棟方はこの作品を見たときから版画への道を歩むことを決意したといわれている。棟方の初期の作品「星座の花嫁」などは川上作品と見紛うばかりの作品である.
 川上澄生は横浜の生まれであるが、晩年を宇都宮で高校教師として過ごし、宇都宮で亡くなりました.教師時代から版画制作を続けたほか、子供のためにおもちゃなども作り、版画作品も紙のみにとどまらず、色々な素材に刷りこんだものがある.当地には教え子も沢山残っており、版画を趣味にする人も数多い.また、野球部の監督も勤めたといい、生徒には人気のあった英語の先生であったと言われている.
 鹿沼市には〈川上澄生美術館)もあり、川上作品を常設展示している。数々の作品を見ていると、ほのぼのとしていて、心あたたまる作品が多く、見飽きることのない素晴らしい作品ばかりである.
 機会があったら、是非、川上作品に触れてみることをお薦めします.