斎藤清の木版画

斎藤清という版画家をご存知だろうか.ちょっとでも版画に興味のある方ならご存知のことと思うし、ご存知ない方でも、会津の雪の風景を版画で表現した作家と言えばおわかりだろう.最近ではコレクションしたくても売価が非常に高く、一点30から40万円は当たり前で、百万円以上する作品も沢山あり、なかなか買えません.
そんな斎藤作品に惚れ込んで、20数年前からコレクションされた方がいらっしゃって、集めた数は百数十点、矢板市にお住まいの荒井さんという方で、このたび仕事を退職されました.本年は斎藤清の生誕百年に当たるため、この機会に見てもらおうと3日間だけ無料で公開されました。すばらしい作品揃いで、これこそ眼福と言うものでしょう.初期のころから亡くなる直前の作品まで、92点が公開されました.猫好きの私にとって興味があったのは、「猜疑」というタイトルの猫の群像の作品です.数匹の猫の集まりで、その眼が細く疑いのまなざしとでも言うのでしょうか、鋭い輝きを持っていました。他にも仏像など外国人向けにでも彫ったのでしょうか、タイトルが英文になっているものもありました.荒井さんは、福島県会津湯の花温泉に「斎藤清美術館」を建てて一般公開しています.土日と祭日のみの公開です.会津柳津町には町立の美術館もあります.
機会があったら、是非、素晴らしい斎藤作品にふれてみてください。