小沢昭一的新宿末広亭十夜/いま、胎動する落語

ギャラリー展示会の店番をしている間に色々な本を読む時間が出来たので、最近購入した本について書いてみます.
小沢昭一的新宿末広亭十夜」は、柳家小三冶師匠に勧められて、昨年の6月下席に俳優小沢昭一が10日間新宿の末広亭に出演した全記録です.ゲストとしてではなく、一芝居(寄席で言う10日間の興行のこと)みっちりと噺家と同じレベルで出演され、「落語」ではありませんでしたが、「随談」というかたちで昔の面白かった芸人さんの話を紐解きながら、最後はハーモニカ演奏と懐かしい歌で締めくくるという高座を勤めたわけです.私も行きたかったのですが、チケット完売で入れませんので行けませんでしたが、面白かっただろうなと推察していました.この本が出たことにより、当時の寄席の小沢昭一の話が全て聴けたような気がして、嬉しくなりました.その内容は次のとおりです.
第一夜「青春の末広亭」第二夜「志ん生師匠ロングインタビュー」第三夜「面長といいますと」第四夜「柳家小三冶本日休演」第五夜「ら・あさくさ」第六夜「尺八の扇遊さん」第七夜「流行歌のルーツ」第八夜「五十銭ください」第九夜「米朝和解」第十夜「旅の夜風」とタイトルだけでは想像がつかないと思いますが抱腹絶倒、一人芝居「唐来参和(井上ひさし作・とうらいさんな)」を演じる小沢昭一、ラジオでの語りなどから想像していただければと思います.寄席ファンだけでなく、演劇関係の方なども話芸は参考になりますので、興味のある方はぜひお読みください.
「いま、胎動する落語/苦悩する落語」は、春風亭小朝師匠のロングインタビューで、現在の落語界の抱える問題点や自分が結成した「六人の会」(小朝・鶴瓶・昇太・正蔵志の輔花緑)のことについて、「大銀座落語祭」について、これからの落語界について語ったものです.落語ファンには興味あることばかりで、なるほどとうなずくことも多く、これからの落語界について考えさせられる一冊です.
2冊ともあっという間に読了してしまいました.私にとっては面白い本でした.