柄澤斎展=宙空の輪舞(ロンド〉

栃木県立美術館で開催中の「柄澤斎展」を見てきました.版画,オブジェ,水彩、本と多彩な展示で目を楽しませてくれました.柄澤氏は,日光の出身で木口木版画の作家です.今回の展示は,1971年から2006年までを回顧するという形で各ジャンルの代表作を展示しています.
木口木版画は,普通の板目木版画と異なり,黄楊や椿などの堅い木を輪切りにしたもの{年輪の出ている部分}を版材として、銅版画のエングレーヴィングに使用するビュランという鋭利な刃物で細密な線を彫る技法です.
ちなみに私の画廊では,[見目陽一]「栗田政裕」両先生の作品を展示しております.
柄澤氏の作品は,文学的な味わいがあるのが特徴です.「肖像シリーズ」「死と変容」シリーズ、「傾草紙≪かぶきそうし≫」など柄澤作品の流れを最初から現在まで見ることの出来る貴重な展覧会です.
他にコラージュ、モノタイプの作品、オブジェ、水彩や素描そして、装丁や挿画、挿絵など見るものが数多くあります.
期間中ワークショップや作家自身の公開制作も行われます.9月3日までです、是非お出かけになってみてください。