浅草演芸ホールにて

今日上京して、まず知り合いの作家の版画展を銀座の画廊で鑑賞。その後歌舞伎座へ、観劇ではなく、知り合いに頼まれた切符の手配。いろいろと大変だ。そして、最終目的地の浅草演芸ホール
中席は落語協会の真打披露興行だ。今回は5人が真打に昇進。2日ずつ寄席のトリを採ることになる。初日の今日は、柳家さん喬師匠の弟子、柳家小太郎が六代目柳亭左龍を襲名する興行だ。
さすが披露興行、出演者も豪華だし、入場料金も普段より少し高い。他のライブ公演から比べればまだまだ安いのだか。場内へ入ったときは、1時を回っていたが、客席もあらかた埋まっており、贔屓の客が詰め掛けているのかもしれない。高座には入船亭扇橋師匠が上がって『弥次郎』を一席
その後も豪華で、志ん五『うなぎや』世津子の奇術、権太楼『金明竹馬風『漫談』でお仲入り。そして真打披露口上の一幕。列座する噺家も、権太楼、木久蔵、円蔵、本人の左龍、師匠のさん喬、馬風、会長の円歌と豪華版。これだけの幹部が列座するということは大変なことだ。お客様とともにお祝いの手締め「三本締め」(最近関東一本締めとか言って、ヨ−オ・シャンというのがよくあるが、一本締めはシャシャシャン・シャシャシャン・シャシャシャンシャンというのが本物)で。
食いつきはお馴染み、順子・ひろしの「漫才」で幕開け、そして師匠さん喬の『替り目』円蔵は声をからして体調も悪そうで短めに随談、木久蔵はお馴染み『彦六伝』円歌も漫談のようなもの、ヒザがわりは仙三郎社中の太神楽「傘・マリ・五階茶碗・かさの投げ合い」そしてトリの左龍師は『りんきの独楽』をたっぷりと30分近くかけて熱演した。
浅草は昼夜興行の入れ替えが無いので、若いころは12時から9時までたっぷりと寄席の世界を楽しんだものですが、最近は疲れるので、なかなかタップリというわけにはいかなくなりました。
今日は頑張って夜の部も少し聴いて帰ろうと思いました。前座の生ねん君は声が大きいのが良い。
笑生『ぞろぞろ』扇生『豆屋』次が音曲の小菊さん、私の好きな『両国風景』をタップリと聴かせてくれました。そしてこの前お世話になった、たい平師匠、次に鈴本の出番があるとかで、短めにそれでも客席を沸かせていました。そしてこれまた大好きで昔からお世話になっている、志ん輔師匠『元犬』、そして漫才はゆめじ・うたじのご両人、そろそろ帰ろうと思ったところへ、これまた先日お世話になった五街道雲助師匠の登場、『町内の若い衆』で場内大爆笑でした。
各師匠方にご挨拶も出来たし、後ろ髪引かれる思いで(扇遊師匠・花録師匠の出番があったので)浅草を後にした充実した一日でした。