バルトの楽園

テレビスポットが流れ始まり、前評判の高い『バルトの楽園』を見ました。ベートーベンの第九交響曲「合唱付き」日本初演の話です。第一次世界大戦の頃の話で、私がまだ生まれていない頃の話で、時代背景が少し古いのですが、内容的にはなかなか面白い作品でした。
敗戦国ドイツの捕虜たちが、日本の各地の収容所に送られてきたのですが、徳島の板東捕虜収容所での待遇は、捕虜とは思えないほど自由で人間として生き生きと生活できるものであったのです。
ドイツ文化を吸収すべく、印刷、パンの製造など捕虜の兵隊たちからも教わることも多かったようです。人が人として生活できる、こんなに素晴らしいことはないと思います。これは所長が会津藩士であったことも関係あるようです。この辺のことは、映画『北の零年』をご覧いただくとわかります。
終戦後、故国へ帰る兵隊たちが、地元の人々にお礼として贈ったのが、『音楽』であり、シラーの詩を元にしたベートーベンの第九であったのです。ラスト近くで流れる『第九交響曲』は涙なくしては聞けません。感動のシーンです。使われた音源もカラヤン指揮のベルリンフィルのもので、映像にカラヤンの指揮ぶりが映ったときには昔を思い出しました。最近の邦画としては素晴らしい出来だと思います。
ぜひご覧いただきたいと思います。